支配と服従 D/s

 僕は争いごとを好みません。などと書くと 平和運動 の話か?とも思われそうですが、それに多少は関連もするのかもしれないけれど、

個人的なものも含めてあらゆる対立が基本的に嫌い です。

 人のケンカもみたくない。だから、コンフリクトを避けるために必然的に自分を抑えることになります。不満はあってもそれを口にせず、相手の言う事に反発はしない。
 他の多くの人に不快感を与えるのもイヤなので、あえてその防衛策としてトップに赤字でメッセージを追加してみました。僕やこのブログへの異常な好意を寄せるストーカーさん達にも、幸福になって頂きたいと願っています。
 
 ま、それはともかくとして、こういう態度を英語では

 submissive 【形】 服従的な、従順な 

と言い、しばしばマゾヒズムとの関連で語られる。欧米でSMとほとんど同義的に用いられる D/s (Dominance & Submission)の「s」はこれの頭文字。ちなみに D を大文字で、エスを小文字で表すのは慎ましい態度の現れだとか。

 submissive な人の中には、仕方なく自分を抑えたり、不本意ながらそうしている人もいるのでしょうが、好きでそうしている人もいます。相手を立てて満足させることに喜びを見いだす。そのためには自分の気持ちや要求を犠牲にできる。そういう献身的な態度がエスカレートしていけば、マゾヒスティックな感性にも結びついて不思議はない。もちろん普段から支配的で押しの強いタイプが、夜のベッドの上でだけ submissive になる場合もあるでしょう。(ちなみに恐妻家のことを「submissive husband」と言います)

一般的に男性が支配的で、女性が服従的といった因習的偏見がまかり通っているため、これを逆転する構図が倒錯的だと言われます。

 「男のくせに女々しいこと言うな」なんていうフレーズは今でもたまに聞きますよね。あるいは「女のくせにナマイキだ」などなど。

 だけど僕は、男性が女性に服従するとか、女性に支配されることで満足を得るのが倒錯だとは思いません。話がこんがらがるけど、女性のマゾヒズムについても同様のことが言えると思います。

 男女を問わず相手のいいなりになったり自分の主張が通らないことが続くと、たいていの人ならストレスがたまるでしょう。そのストレスの量と、相手と対立関係を引き起こしてまで自分の主張を通すストレスの量を比較してみるとどうなるか。

 まっこうから対立して相手を打ち負かし、両者ともに消耗して得られる満足よりも、自分が譲歩することによって相手に与える快感と己の自虐的な満足感を得る方が、よっぽど省エネだし健全だとも思えるのです。(その反対に、相手を打ち負かして屈服させることに喜びを見いだすのもあり得るし、サディズムと関連づけられるのでしょう)

 まァそんなわけで、性格的に自分は内向的でリーダーシップをとるようなタイプではありませんが、実際には職場や人間関係によっては時には支配的になったり、場を仕切ったりとかいう状況はよくあるし、避けて通れない。そのへんは臨機応変にバランスをとってやっています。正確に言うと「支配的に振る舞う」ことをしているわけで、これはこれでストレスがたまる w....

 アメリカの心理学者Michael Babyakによると、

支配的な男は、服従的な男より平均寿命が短いそうです。

 早死にしているというレポートすらありました。支配的であるより服従的であるほうがストレスの少ない健康的な生活ができるという報告がこの研究ではされていました。支配的であることはエネルギーがいります。従順であることは、それが屈辱であるとして受け入れがたいという人には苦痛かもしれません。しかし服従することにポジティブな満足を見いだせる人は、マゾヒストとしての資質がある。そしてそういう資質は特に異常とか倒錯というものでもなく、一人の人間の属性として認められてもいいと思っています。

 健全なマゾヒズム とまで言うつもりはないですが、

「鞭で打たれたい」とか「お馬さんになりたい」だけがマゾヒズムではありません。



この記事へのコメント
あちらのサイトではサド/マゾという言葉はほとんど聞きませんね。ほとんどドム/サブです。支配/服従を基本としているという考えのようですが、マゾヒストとサブミッシブをまったく同義のように使っている場合もけっこうあります。日本でもD/Sという用語が広まるといいんじゃないかなあって思ってます。女性にとっては、「サディスト」になるよりも、「ドミナ」になる方が抵抗がないんじゃないかなあという気がするのです。
Posted by サブミッシブ (Kai) at 2005年12月17日 11:05
SMやサド/マゾは、パートタイムのフィジカルな概念であるのに比べて、D/sはもっと日常的に、そして精神的な部分が大きいような気がしますね。夜の夫婦生活以外でもD/sが継続可能で、それをエンジョイできるのは欧米ならではでしょう。日本でも夫の家事分担とか「主夫」なんて言葉も最近出てきてますけど、まだ「特別のこと」の段階のようです。僕は独身なのでそのあたりよくわかりませんが...

 Kaiさんやマゾ亭主さんのようにご夫婦で成功されている例はやはり日本ではレア・ケースだと思うし(そういうブログが他にないですし)とても貴重だと思う。今後お二人の影響のもとに、日本でもD/sカルチャーがもっと普及していくことを期待しています。

 一方でOWKのような、SMに「非日常性」の魅力を見いだしている欧米のコミュニティもあります。いろいろな意味で文化的な相違と言ってしまえばそれまでですが、SMやサブカルチャーへの寛容度はあちらの懐のほうが深いという印象ですね。
Posted by やはり文化の違いなのでしょうか... (Homer) at 2005年12月17日 13:33
>「支配的に振る舞う」ことをしているわけで、これはこれでストレスがたまる w....

この気持ち、すごくよくわかります。
日常が忙しく、ストレスが溜まれば溜まるほど、女王様に支配された時の快楽が大きな気がしますので。。。
従属する安らぎは苦痛に勝るって事かな〜とか思ってみたりしました。
Posted by コメントありがとうございます〜 (ころ) at 2005年12月23日 15:11
>従属する安らぎは苦痛に勝るって事かな〜

 ↑ まさにそのとおりだと思います。
怠け者的な言い方になりますが、率先して仕切るより、言う事聞いてる方が楽っていえば楽ですし ^^

信頼できる、崇拝している相手に身も心もゆだねることが出来るのは、とても贅沢なことではないでしょうか。

そういうことが可能な偉大なパートナーであれば、敬意を抱いて当然だし、その相手から受ける苦痛や辱めも快感に転化し、自然と従属できると思うのです。
Posted by ころさんへ (Homer) at 2005年12月24日 13:11

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