マゾヒズムに花束を!:SMを題材とするコミック作品

マンガで女王様が登場する作品、男性マゾヒズムをテーマにしているものをピックアップしています。


BdSmマンガ夜話



posted by homer_2006 | Comment(1) | マゾヒズムに花束を!
この記事へのコメント
理髪店主の悲しみ



ひさうちみちお
(SMクラブ・1981年4月号)


 この人の描く変態ワールドは、内容的にはかなりドギツイのに不思議と現実離れしており、ソフトで清潔感すら漂う感じがする。単行本の解説で川本三郎氏が述べているように、最高級の変態とは人の幻想・妄想の中にあるというのは実に正しい指摘だ。
 SMやマゾヒズムにこだわった作品はむしろ少なく、幅広いアブノーマルな世界をオールラウンドに、そして独特のデフォルメで描く希有な作家である。しかしながら、マゾヒズムについては、かなりマニアックな心理を理解していないと出てこない味わいがあり、この人Mッ気があるなァと昔から思っていた。ガロ出身のマイナーな作家というイメージが強かったのでしたが、同名作品が映画化されたこともあり一躍メジャーな人になりました。こだわりのツボは相変わらずマイナーなまま現在に至っているようです。




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【2006/08/22 Tue】 // BdSmマンガ夜話



M(エム)・桂 正和



「フツー」になったマゾヒズム

 表向きは社会人が対象だったビジネスジャンプの麗羅(レイラ)から2年。ついに青少年が読者であるヤングジャンプにも、男性マゾヒズムをテーマとする作品が出現する。

 アニメ化もされた代表作「ウイングマン」をはじめ、「電影少女」「I"s(アイズ)」など、少年雑誌にギリギリのきわどさで健全な倒錯世界を描くことにかけてはピカいちのテクニックを誇る桂正和の、カミングアウト的な作品だ。もともとは1996年に「MANGAオールマン4月号」に掲載された作品に加筆修正したもの。今年になって待望の単行本が発売された。

 ごく普通の男の子の心の中に、男性マゾヒズム願望が芽生えていく(「萌える」の本来的な意味がこれ)
 登場する女の子も特にサディストという感じではない。日常的な一コマに突如として出現するアブノーマル一歩手前の危うい世界。コミックならでは象徴性を極めた美学がここにある。
 
 傑作である。



【2006/05/07 Sun】 // BdSmマンガ夜話



ハレンチ学園
少年漫画に内在していたSMスピリッツ




ウンバババッパ ウンバババッパ ♪ ウンババ ハレンチ ウンバッパ
 忘れがたいこのメロディ ! ^^)  

(ABCDWHY イタズラ描きで女の人の裸をWHYで書いてたりしてませんでしたか?)

 SMとはあまり縁のない人でも、このマンガやドラマのインパクトは大きかったに違いない。それでなくても「普通にエッチ」なコミックとして叩かれていた。

 十兵衛こと柳生みつ子には女王様的な魅力がある。テレビの実写版で演じる女優にもそういうS女性独特の雰囲気が感じられたのは、原作のキャラが持つ必然性があったからだ。永井豪はこの他にも「キューティーハニー」や「けっこう仮面」など、多くの女王様的キャラクターを造りだし、当時の小学校にM男予備軍を産み出していた。

 思春期以前の、特に小学生高学年ぐらいの女の子というのは悩ましい存在だ。あるのかないのかわからないようなフェロモンをまき散らしながら、男子生徒を無邪気に惑わす。そして男子生徒も無意識に幻惑される。職業女王様のインタビュー記事などでたまに、好きだった男の子を虐めたりしたというエピソードが物語るように、この時代にはSM関係特有のDNAが形成されるようだ。男子にも言えるが、好きな子を虐めたい、または「好きな子から虐められたい」という感情は、健全な魂にやどる普通の精神なのである。それがちょっとエスカレートすると、「縛りたい」とか、「鞭で打ちたい(打たれたい)」といった具体的な願望となるだけ。僕は小学1年生の頃から顔面騎乗願望を抱いていたが、「ハレンチ学園」の一コマで初めて、それまでの自分の意味不明な願望が視覚化された映像を目にして衝撃を受けたのをよく覚えている。春川ナミオのイラストを知る前だ。ここには、そうした具体的なテンプレートがさりげなくちりばめられており、単なる「エッチなマンガ」という評価を越えたデンジャラスな有害図書として、当時の教育委員会やPTAにこの作品は目の敵にされていた。

 SMという言葉や概念は知らなくても、学校における「強い女の子」の存在を明確に印象づける美少女キャラクターの元祖がこの十兵衛だった。現実の少女にでなく、実在しない2次元の美少女キャラに「萌え」る気持ちの起源もここから始まったような気がする。

 古き良き時代の FemDom Comic の一つとして記憶にとどめておきたい作品である。



【2005/12/29 Thu】 // BdSmマンガ夜話



お元気クリニック


乾はるか
( プレイコミック/秋田書店・1991年1月24日)

 今やコミック作家というよりは 北川プロ の看板ディレクターになってしまった感じの乾はるか氏。先週発売されたばかりの新作「黒パンストの女王 PART-4 〜ディルドウの罠〜」 では原作のみの参加だが、このシリーズの第1作では監督・脚本も手がけていた。

 デビュー当時は少年チャンピオンにも作品を発表していた正当派。アダルト系のエロ作家というよりは「お色気マンガ家」と呼ぶにふさわしい。

 「プレイコミック」は少年チャンピオンの出版社である秋田書店の、大手にしては貧乏臭い成年向けマンガ雑誌。
この雑誌の偉大なところは、すでに1980年代からSMをモチーフとした作品を掲載していたこと。フェムドム的な期待に添うものは少なかった時代に「お元気クリニック」では毎回いろいろな患者が女王様やM男として登場し楽しませてくれた。好きだったなあ、このマンガ。

 やはりきちんとわかっている人が描いている作品 は、

内容に関わらず共感できる部分が多い。

 ここで一部分を紹介しているエピソードでは、メインキャラである看護婦の多々瀬ルコ(ルビふりたくなる衝動にかられるこの名前!)によって、マゾヒストの心理・哲学がわかりやすく解説されているのでぜひご注目だ。抜粋している3ページめの彼女のセリフ

気持ちいいのは、愛するまたは崇拝するものから受ける「はずかしめ」を受けること

というのはフェムドム心理の真理をついた名言。

 今回の患者はスタミナドリンクを販売している製薬会社の三代目若社長。インポテンツに悩んでお元気クリニックにやってくるが、実はマゾだった...?
 そこでルコ女王様のSM治療が始まる!


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【2005/12/19 Mon】 // BdSmマンガ夜話



麗羅(レイラ)/三山のぼる

初のSM業界コミックの連載

 SMクラブの女王様が主人公というのは、大手の一般コミック誌ではやはりまだ珍しかった。すでに小学館のスピリッツから「Beehive 蜜蜂の巣」という作品が出ていたのだが、連載は半年で終了している。(単行本は現在絶版)

 「麗羅」は最初は単発の読み切りとして2000年10月に発表され、その後3年にわたって連載が続き、単行本が昨年秋に第7巻で完結した異例のロングシリーズである。
 (2005年6月現在まだ入手可能)
 
 男のマゾ心理を適確にとらえた山田ゴメスの原案と三山のぼるのソフトな画風はよくマッチしながら、従来的には暗く陰湿になりがちだった世界が爽やかに表現されていた。
 おそらくは北川プロがモデルではないかと推察される団体も登場し、実在しそうなキャラクターがコミカルかつリアルに描かれ、SMをテーマにここまでエンタテイメント作品に仕上げた手腕は素晴らしい。これはSM業界版の「美味しんぼ」であり「課長島耕作」であり「山口六平太」となり、幅広い層からの支持を得た。

 下に紹介するのは増刊号 (2002年1月1日)の番外編。なんと巻頭カラーであった。読者の視線は下から見上げる奴隷アングルと同化し、まるで自分が調教されているかのような気にさせるコマづくりは見事。しかし暗示的とはいえM男の射精をイメージさせる場面は、やはり一般誌としてはキワドいところだったと思う。こうした内容がマニア向けではなく一般作品として登場したことに戸惑いを感じつつも、フェムドム・カルチャーの広がりを期待してしまった。


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麗羅(レイラ)/三山のぼる(集英社・ビジネスジャンプ)


【2005/12/11 Sun】 // BdSmマンガ夜話



森園みるく/Beehive


  シリアスな劇画調タッチで、一般コミック誌に初めてSMクラブがメイン・ステージとして登場した記念碑的な作品。タクシー運転手、堀内政人が偶然乗せた客はSMクラブ「蜜蜂の巣」で女王様をしている洋子だった。彼女はこの運転手を専属奴隷としてポチと名づけ、自分の仕事現場に同行させる。

フェムドム的な視点、つまりM男側からの眼差しでクラブ女王様の人生観や哲学がリアルに描かれており、ドラマとしての充分な見応えを感じた。プレイとしてではなく、実際の人生における人間関係としての女王様と奴隷の構図を通して、より深い愛の真実に迫る力作だ。(単行本が1997年に発売されたが現在は絶版)


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ビッグコミック・スピリッツ/小学館


【2005/11/15 Tue】 // BdSmマンガ夜話

Posted by リンク先記事全文 at 2005年10月26日 03:00
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