世に言う『サディスト』なるものは存在しない

冒頭申し上げておく。
この記事に関しては論者の私見ではなく、現行分析学等における通説を示す。
その点を踏まえてお読み願いたい。

さて近年、「自分はS(サディスト)だ」「彼はM(マゾヒスト)だから」亜流の言い回しがされる。
そもそもの成り立ちに立ち返れば、これは明らかに誤った用例である。
本ブログ第1稿は、この点の擦り込みを目的としよう。

『粘着』。このネット符牒はご存知であろう。
おそらくは、ドイツの精神医学者 エルンスト・クレッチマー の『体格と性格』に登場する粘着性気質の略。
彼は同書において、性格三分類(粘着、躁鬱、癲癇)を行った。

ここで注意しなければならないのは、粘着性気質の人間、躁鬱性〜、癲癇〜なるものはいないということである。あたかもドンキホーテ型・ハムレット型の人間はいたとしても、ドンキホーテ・ハムレットという人物はいないが如くに。
挿絵つきの書であるので、3つのうち体型の一番近いものを指して「ああ、自分はこれだ」という人がいるがこれは、そもそもの根底を理解していないがための誤解だ。

人間だれしも3つを持ち合わせている、状況いかんでその何れかが表にでる、というのがクレッチマーの理論なのである。ご確認のほどを。
人間、十人十色、千差万別の性格…この分析であることに留意されたい。

サディズム、マゾヒズム、フェチシズム…全く同じ事情である。
これらも万人が大なり小なり持ち合わせている性格因子の一に過ぎない。
何れかの時に何れかの人物のサディズムが表に出たとしても、彼もしくは彼女が即サディストというわけではないのだ。

冒頭掲げたような意味でのサディスト、即ち、マゾヒズムを全く持ち合わせない、いや全人格がその正反対の極にある、サディストなどいうものは存在しないのである。
ましてや、S、M、ノーマルの『性癖三分類』などナンセンスの極み。

さらに付け加えれば、クラフト・エービングの時代からは年月を経過した現在のこと、生活様式、価値観その他、かの時代からは大きく変化している。
かのサディズム命名者の分析自体にも陳腐化が生じつつある。


posted by homer_2006 | サディズムに花束を!
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