エリザベス一世 − スペイン無敵艦隊を討ち破る

5b489871.jpg名実ともに女王様である人物を登場させよう。
ヨーロッパの女性君主には、あちらの意味でも女王様であるケースが多い。
中には自分宛の手紙を配達してきた配達夫を全て断頭台にかけた女王もいたとか。

かの『流血のメアリー』の後を継いだエリザベス一世も処刑にかけては先代にひけはとらない。
どうも彼女は、好きになった男を断頭台に送ってしまう癖があったようだ。
だから、生涯子をなすことがなかったのであるが。
その分、為政でカタルシスしたのかもしれない。

さて、エリザベス一世即位当時はスペインが世界最強国であった。
彼女は考える。どうやってあの無敵艦隊を破るか?
そして一つのアイデアが浮かぶ。
もうひとつの頭痛のタネ、海という海を荒らしまわっている海賊連中。
彼らを使えないものかと。毒をもって毒を制す。

紆余曲折あって、いよいよ海賊首脳部との会見に及ぶ。
彼女は、本題から入らず古典文学の話を用いだし海賊どもの機先を制した。
頃やよしと見て女王は切り出す。「さて、最近、そのほうら…」

いよいよ説教が始まるのかとビクついた海賊どもの耳に飛び込んできたのは、意外や意外、「もっと、おやりよ」という励ましの言葉であった。
「海賊船であることさえ示めさなければ、我が国どの港への寄港も許す」
「水・食料・燃料を提供する」
海賊にすれば、どれひとつとっても、耳を疑うようなおいしい話ばかり。女王の申し出を辞退する理由はない。
全ての条件に合意し、下がろうとした彼らをエリザベスは呼び止めた。

「お待ちよ。これだけ有利な条件出してるんだから、そっもアガリの…」

この瞬間、エリザベス一世は海賊集団の『大姉御』となったのである。
そして、彼女は子飼いとなった海賊どもに教育を施しスペイン無敵艦隊に勝る海軍を育成していく。

さて、この記事における論者の目的は、フェムドム信奉者の描くサド性むき出しの支配者像に一石を投ずることある。
もしエリザベス一世がサド性を爆発させ海賊狩りをしていたのであったなら、以後の大英帝国は存在しなかった。
耐えがたきを耐え忍びがたきを忍び…支配とはむしろ忍従的なものでおる。

ここまでが本論であるのだが、少々余談を。

このブログもお世話になっているライブドアは、M&Aという言葉を世間に広めてくれた。
そしてその企業買収路線の暴走からの脱線した。
エリザベス一世の海賊集団買収はM&Aそのもの。
16世紀のヨーロッパには、世界最強艦隊以上の海軍を只で買収してのけた『天才女社長』がいたのである。


posted by homer_2006 | サディズムに花束を!
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