ギリシア神話の創造者たち − 狩人アクタイオンに対する女神アルテミスの残酷行為を見る

7ad50dc5.JPGさて、クララ・シューマンの稿で論じたアマゾネスというのはギリシア神話に出典する。
ギリシア神話… 念には及ばぬと思うが今のギリシア共和国の神話ではない。
南欧から小アジア、地中海の島々はてはアフリカにいたる広大な地域に伝わる伝承の集大成である。
それ故に、最有名の世界神話なのであるが。
本稿はそのギリシア神話のほんの一説を俎上に論を進めよう。

アルテミス、ローマ神話に入ればディアナ。最高神であるゼウスの娘にして、太陽神アポロンの双子の妹。
余談であるが、日本神話のアマテラス・ツクヨミ姉弟とは逆順の日月神である。
そして、この月の女神は野生動物の棲む野山を支配しする狩の女神でもあった。
であるからして背が高くて愛らしい。兄アポロンと同じく優れた弓の射手にして、短い上着で軽装し猟犬や小鹿を連れ、美しいニンフを従えて弓を手に矢筒を背にして野山を駆け回る女狩人の姿で表される。

して、もうひとりの主役である狩人アクタイオンの登場だ。
アルテミスとその供のニンフは、狩猟のあいまに山間の川や静かな池で水浴びするのが好きであった。
ある日森をさまよっていた狩人アクタイオンは、、たまたまその光景を見てしまったのである。
それに気づいたこの処女神は激怒する。

「人間よ、町に帰りアルテミスの裸を見たと言いふらせ。できるものであるならば」

と、彼に水をはねかけ、鹿の姿に変えてしまうのである。
そのために、アクタイオンは自分の猟犬に襲われ、八つ裂きにされてしまった。

論者は最初これを読んだ日の夜、恐ろしさのあまりうなされてしまった。
この残酷逸話の作者は男女いずれであろうか?
激怒云々の点から見ると男性に思われる。すなわち男性が思い描く女性像(処女像)であるということだ。
別に女とて、偶発的に裸を見られたのであれば腹を立てはしない。
怒るのは意図的に覗き見られたとき、その劣情に腹を立てるだけだ。早田夫人の稿で述べたか?

さりとて、男性が創ったものだとすれば、それ以降の女神の行動はできすぎである。
全てを忘れるほど取り乱し、あとさきもなく復讐的加虐行為に走る…
男性に裸を見られて感じるあの羞恥を知っている者でなければ出てこないような気がする。

まあ、男女合作なのであろう。いやいや、間違いない。
だからこそ、民話伝承、だからこそ時代を超越して未来永劫人々に大きな教訓をもたらすのである。



posted by homer_2006 | サディズムに花束を!
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