唇歯の関係たる視姦と露出

孫夫人の稿の、その後から入ろう。

かくして劉備に輿入れした弓腰姫、初夜の寝室の周りに女侍を配置し聞き耳を立てる不心得者を見張らせるのである。
蜀人の名誉のために補足せねばならないだろう。かの時代、かの国には、新婚夫婦の寝所を取り囲み聞き耳をたてる風習があったのである。
緞帳ひとつ隔てただけの場所、ちょっと物音たてただけで丸聞こえ…
随分とまた、奇妙な風習があったものだ。
他にも中国には、つい近代に至るまで種々の嫁いびりの風習があったようなのだが、そこには至らず論を続けよう。

いうまでもなく、この奇習を裏打ちするのは窃視願望、平たくいえば覗き心理である。
そしてそれが病的なものになると視姦症、早田夫人の稿で論じたとおりだ。
これは男性固有の症状? の問いの回答は後ほどするとして、先ずは高橋鐵『アブノーマル』を引用しよう。

同書によれば、この視姦症も有効利用可能であり、その利用例として、
原子学者・細菌学者・天文学者・写真家・美術家・映画監督・撮影現像関係者・婦人科医・時計その他の機械製造および修理者
等々の職業を、視姦者風の作家として、
永井荷風・舟橋聖一・江戸川乱歩・瀬戸内晴美(寂聴)・曾根綾子
らを上げている。

参考までに反対の露出症者は、芸術家(美術・文学点演劇舞踏・芸能など)・出版業者・政治家・商品製造者等々。
示唆的に言えば、吉井勇・坂口安吾・太宰治・石坂洋次郎・斉藤茂吉・三島由紀夫・石原慎太郎らの創作態度がこれに属する、としている。

さて、先ほどの問いの回答を示すか。
なにが、男性固有の症状であるものか!
おかみさん達の井戸端会議を考えるとよい。世界共通の現象であろう?
そして、それがニューメディアに発展したのが、週刊誌・テレビワイドショー…
ここでも、窃視願望者との露出症者との需給が一致した一大商戦が繰り広げられている。
いわずもがな、ここにおける担い手もまた主として女性である。

そういえば、未だ分析に至る以前に下火となってしまった畠山鈴香。


posted by homer_2006 | サディズムに花束を!
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