柴田勝家 − 主筋の女性を嫁に迎えた男の泣き笑い

018acce1.jpg国営放送大河ドラマである。
直前回の『功名が辻』は、北ノ庄落城の場面であった。
既に、お市・淀の方の母娘に関してはそれぞれ一稿を裂いて論じた故、本稿主人公は勝家としよう。

既論のとおり、かの母娘はともに臣下にあたる男に嫁いでいる。
いわば、女性上位の嫁入り…
本ブログとしては歓迎すべきことに、本年の大河においてはこのあたりを強調した演出となっている。
そう、柄本明扮する秀吉は永作博美扮する茶々が現われたる折、庭先にまろび落ち土下座をして臣下の礼をとった。

勝野洋演ずる柴田勝家が大地真央・お市を娶る場においても類似であった。

「お市様には、ごきげんうるわしゅう…」「勝家、私を貰うてはくれぬか?」

城入りの折には平伏し上座を勧める勝野勝家。
両名の最期となる直前回放送では逆転し、「殿」「市」と呼び合う(かの地かの時代における武家の)通常夫婦となっていたのが印象的であった。

ここらが、本稿をお読み願うにあたり留意願いたい点でもある。
つまり、勝家は婿入りしたわけではないのだ。織田家の養子となり織田勝家として家督を継いだわけではない。
あくまでも、お市が臣下に下ったわけなのである。
言ってみれば、(勝家の視点からすれば)女房の七光りでによる出世狙い…
して?

お市の稿で述べたように、家庭人としては大々成功。
夫婦仲睦まじく三人の養女たちとは実の父娘のごとくで、幸せな晩年を送ることのできた勝家である。
お市にすればそれでよいのだが。
勝家には天下取りの宿願があったはずだ。敗死で「我が人生に悔いはなし」ということはあるまいて。
どうも男とっては、お市は『サゲマン』であったようだ。

歴史は巡る。のちに淀の方となった茶々もまた…
この母娘を見る限り、「嫁は下から貰え」の格言が正しいと実感される。
『功名が辻』の主人公は山内一豊の妻・千代、この女性はどこの馬の骨かわからないといっても過言でないほどの下級の出。
それがうまく夫を"支配"し、土佐藩主の地位にまで上らしめた。

乱世は駆け上るためには先ず、夫婦間での下克上があることが前提となるようだ。



posted by homer_2006 | サディズムに花束を!
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