インディラ・ガンジー − 20世紀後半のインドに現れ出でた二昔前の暴君

a5f38a6a.jpg不肖だれそれという言い方がある。
遜りを示すため、自らの名前の前に付す、この『不肖』。
調べてみるにそもそもは「(偉大な)親に似ずして偉くない」という意味だ。

偉大な親にであるか。
まあ、立派な親を持ってしまうと一生涯損をするものだ。
七光りなどというのは全くの迷信、何かと親に比較され必要以上に期待され、そして背伸びをするのがオチである。
本稿主役も、インド建国の父であるジャワーハルラール・ネールの一人娘として生まれたのが、生まれついての不幸と言えなくもない。

ネールの後を継ぐように政界に進出した彼女は、当初お飾り大臣になるものと予想されていたのであるが。
インディラは大方の予想を覆し、インド共和国の政治史上最も強力な指導者の一人となるのである。
だが、その中身は副題にしたとおりだ。

インディラが作ったのは彼女に始まるネール王朝。父ネールから受け継いだ国民会議派は血族で固めようと画策した一人娘のために変質した。
その後も保身のため国家非常事態宣言を行い、その名の下に政敵を逮捕、野党を弾圧…
あまりの人権侵害に民心は国民会議派を離れた。
今まで散々俎上に上げてきた、女性通弊の身内贔屓、近視眼的政治である。
果たして彼女自身もその遺児ラジヴ・ガンジーも、凶弾により最期を迎えるのである。

ネールの娘であるインディラ・ガンジーが、頭が悪いわけがない。いやそれどころか、20世紀世界に現れ出でた人類のうちでも屈指の頭脳の持ち主であるはずだ。
だが、頭でなく子宮でものを考えてしまう。
山田みつ子の稿で提示した、女性特有の頭と子宮を二心とする楕円思考。悲しいかなインディラは女性であった。
同性とすれば、これを認めるのは口惜しい限りである。

さて第二次大戦後、日本の子どもからの「生きたゾウが見たい」という要望に応えて、インド政府からアジアゾウがプレゼントされたことがある。
子供向けに書かれたネールの伝記に必ず出てくる逸話である。
インド建国の父は、この世で一番愛する者と同じ名前の、平和と友好の使者を上野動物園につかわした。

インディラ。

明日は8/15。61回目の終戦の日を迎える。


posted by homer_2006 | サディズムに花束を!
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