風俗資料館の蔵書販売

 風俗資料館が、保管スペースの合理化のため、その貴重な蔵書の一部を愛好家のために期間限定で販売をしています。重複している冊子が整理された結果として放出されるもので、マニアにとっては千載一遇のチャンスかもしれません。古本屋での相場よりは安めでリーズナブルな価格設定は、館長であり、往年の「風俗奇譚」の編集長でもあったT氏の心意気が感じられます。
 かくいう僕も、ず〜と探し求めていた「奇譚クラブ」の伝説的なバックナンバーを入手することができました。この雑誌が一般的な風俗雑誌から、マニアックなSM専門誌に生まれ変わる契機となった1952年の7月号です。
 この号には、喜多玲子の名前ですばらしい責め絵を描いた画家としても知られる伝説の人物・須磨利之が編集者として参加しており、巻頭グラビア「女天下時代」を担当しています。まだ沼正三のデビュー前で、この翌年から「あるマゾヒストの手帖から」の連載が須磨編集の元で始まったのでした。日本のFem-Domメディアの方向性を決定づけた画期的な企画が初めて実現されている雑誌と言えます。
 男性マゾヒズムをこれほどあからさまに特集として打ち出したスタイルは当時としては異例だったに違いありません。もしかすると風俗誌史上初の企画だった可能性もある。ただし、表2(表紙の裏ページ)と目次の裏には女体緊縛写真とイラストが載っている。
 須磨利之の構成と筆による巻頭グラビアに続いて「女の奴隷・マゾヒスト群像」(高取辰治)というコラム記事が鮮烈だ。「恋の僕」というサブタイトルで「恋する者は奴隷なり、囚人なり、義勇的使僕なり」と、マゾヒズムの本質をつく表現がいきなり登場し、マゾッホやアリストテレス、ルソーの紹介を通して男性マゾヒズムに関する歴史と考察が淡々と語られていく。上品な筆致で通俗的な雑誌記事とは思えない読み応えを感じました。 



posted by homer_2006 | Comment(0) | マゾヒズムに花束を!
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