濡木痴夢男



濡木痴夢男のおしゃべり芝居

 このホームページのなんともカワイイ名前は、本人が抱く演劇に対する憧憬からつけられたものらしい。実際に落語や講談などもこなしてしまう芸人としての 濡木の横顔が、ここで明らかになりつつあります。僕も以前芝居をやっていたことがあるので、なんとなく共感を覚えるのですが、SMと演劇は、実は深い関係 があるのです。

 濡木痴夢男は、戦後SMメディアの生き証人として、今も精力的に活動を続けている数少ないアーティスト。古くは「奇譚クラブ」の投稿家からスタートし、その後SM雑誌の先駆けとして登場した「裏窓」の編集に関わる経緯は、以前このブログでも紹介した 「奇譚クラブ」とその周辺 という、濡木氏自らの著作で詳しく描かれています。

 この業界では言わずと知れた著名人ではあるのですが、1970年代初頭、華やかな表紙に彩られたSM雑誌が百花繚乱のごとく発行されるようになった背景には、

濡木らパイオニアの布石があったればこそという事実 が、

もう少し強調されてもいいような気がします。緊縛グラビアの縄師としても活躍する一方、ビデオ監督などもこなすマルチな才能はその後の80年代に花咲く SMポストモダンの台頭をも後押しすることにもなりました。戦後しばらくはアンダーグラウンドだったSMサブカルチャーから、よくも悪くもポピュラーな風 俗産業にまで発展した全てのプロセスに深く関与してきた重鎮の一人と言えるでしょう。

「紙フェチ」と自称する濡木は、もっぱら紙媒体、つまり雑誌や書き下ろしの出版物でしかこれまで作品を発表していませんでした。(最近は紙芝居の絵なども描いて東京で上演もされたという)
 
 その彼が、ついにというかやっとというべきなのか、

 インターネットの世界でも己の世界を語り始めたようです。

 まもなく80歳になろうという老体に鞭打ち(本人はマゾではないらしいが)、使ったことのないパソコンを駆使(?)し、ネット向けに重たい口が開かれたことには、驚きと歓迎の思いを込めて祝福したい。

 この芝居はまだ開幕したばかりで観客数が少ないみたいだけど、バカ受けするほどメジャーな興行成績を目指しているわけでもないらしい。わかる人にしかわからない、シブい小劇場を見守るような気持ちで応援しています。


posted by homer_2006 | Comment(0) | マゾヒズムに花束を!
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